メロディーに対するコードの付け方(基礎編その2「強進行を基に考える」)
この記事は『メロディーに対するコードの付け方(基礎編その1「メロディー構成音で考える」)』の続編です。
こんな人向け
・メロディーはあるけどコード進行がうまくつけられない
・耳コピをしていてコードの流れをある程度予測しながら進めたい
前回は「メロディー構成音と共通する音を持つ主要三和音が有力候補になる」というものでした。その流れで未解決の課題である「メロディーと共通する音を持つ主要三和音が複数あるときどうするか」にひとつの解決方法を今回示します。
それが「強進行を基に考える」というものです。今回は副次和音も視野に入れます。
強進行は自然に感じるとされているコード(和音)の移り方のこと
強進行とは古典音楽の時代から好まれて使われてきたコードの移り方です。私たちの聴く音楽は基本的に古典音楽を下敷きに作られているので、強進行を使うと耳馴染みが良く自然な流れに感じます。
対になる概念に「弱進行」があり、これは音楽の発展とともに使われるようになった比較的新しいコードの移り方です。弱進行を使うとやや不安な感じや何だか変な感じがします。ただ不自然さを緩和するようなテクニックもあり、当たり前のように使うジャンルもブルースやロックなど存在します。
強進行は「短2度上行、長2度上行、完全4度上行、短3度下降、長3度下行」する動きのことです。
Cメジャーで例を挙げると
短2度上行 Em(Ⅲ) → F (Ⅳ)
長2度上行 C(Ⅰ) → Dm(Ⅱ)
完全4度上行 C → F
短3度下行 G7(Ⅴ) → Em
長3度下行 Am(Ⅵ) → F
ということになります。
実際これをどう使って考えるのか
例えばCメジャーの曲でコードをつけたい箇所で、メロディーがGの音で鳴っているとします。主要三和音ならCとG7がコード付けの有力候補ですが、絞りきれないのでその前の小節のコードを見ます。そこにはDmとありました。するとDm → Cは「長2度下行」なので強進行ではありませんが、Dm → G7は「完全4度上行」なので強進行です。よってG7がコード付けの最有力候補となります。
まとめ
強進行のパターンを把握しておくと、自然な流れになるコード進行候補を作りやすい。またよく使われるパターンであるので既存の曲のコード進行予測にも使える。
あとがき
今回「強進行」について書きましたが、初学者にはカデンツ(終止形)の話が先に必要だと思いました。強進行には沿ってるけどカデンツ的に考えにくいパターンもあるので、カデンツを踏まえた上で強進行を視野に入れたほうが良いです。
また弱進行は逆手に取ると「不自然な感覚」を狙った表現手段になります。
最後まで読んでいただきありがとうございます!